
最近、就業規則の変更依頼が多くなって参りました。
広島県内の社会福祉法人は、労務監査の対象となっており、監査後の指導により変更を余儀なくされての依頼もありますし、建設業では、公共工事の完成後の労務監査が平成28年6月より義務となりましたので、作成・変更の依頼は今後も増えていくことが予想されます。
そもそも就業規則というのは、労働基準法では、常時10人以上の労働者がいる事業所に作成と届出の義務があるものなのですが、公益性の高い事業や公共事業を請け負わせるのなら、ちゃんと法律を守る事業者でなければだめでしょう、ということです。
福祉や建設の事業者は、世間ではいわゆる「3K」といわれて久しく、このままでは担い手がいなくなってしまう!!という問題が背景にあるため、余計に「少しでもいい労働環境を作らせること」が必要なのですが、担い手が不足しているのは、何も、そういった特別な職種に限りません。
高齢化が進行している社会において、若い人材はただでさえ減っているのです。
今の人手不足への対応で一番、しかも最低限必要なのは、コンプライアンスです。
考えてみてください。
残業があるのは仕方ないにしても、残業代払ってくれない会社に就職したいでしょうか?
有給休暇を取りたいといったとき「有給休暇なんてうちの会社にはない!」というような会社、入りたいですか?
なんか変。そう思ったときに、ネットで検索すればいろんな情報が転がっています。
その疑問にネット上から無料で答えてくれる労働組合や専門家もいます。(間違った書き込みもあるのは事実ですが)
こんな情報社会で、コンプライアンスもできてない会社を「選ばない」、そして、間違って入ってしまったら早いうちに「逃げていく」のは当然の結果ではないでしょうか。
本当は、こんな、人手不足だからではなくて、就業規則というのは、作成しておけば、使用者自身の目安になる重要なものなのですよ。
だって、雇った人に対して、採用から退職までどう対応すればいいのか、いきあたりばったりでいいと思われますか?
法律に違反しているかどうかも、知らないままで違反していて・・・
就業規則は事業主の指針にもなりますし、労働契約となるため、しっかり労働者に周知しておくことで労働者の安心にもつながります。
また、就業規則には、服務規程なども書きますので、遅刻してはダメだということをはじめ、どういう場合に解雇するよとか、どういう従業員になって欲しいという会社からのメッセージを伝えることができます。
それなのに、知り合いの社長からもらった就業規則をそのまま自分のところの就業規則にしていて、「あればいいんでしょ?」と見直すこともなく、
書かれてあることもよくわからないまま「形だけ」ある、という会社。
残念ながら多く存在していると思われます。
監査があるから仕方なく、なんとか法律をクリアするようにしなくては。
退職した労働者が監督署に駆け込まれ、どうしようもなくなって仕方なく依頼する、というのがほとんどの様な気がします。
事業主の皆様、特に中小企業の事業主の皆様は、最低でもコンプライアンスができている会社にしていきましょう。大きい会社と違って、認知度ではどうやってもかなわないのです。
私は、就業規則変更の際、変更点を赤字で直すのですが、ずいぶん前から変わっている法律に見事に対応できていないものや、あってはいけない変な文言(例えば就職差別につながる文言など)が堂々と入っているものなど、あるのが当たり前くらいにあって、実に真っ赤っかな就業規則に変更されていきます。
私たち社労士を取り巻く法律は、本当に頻繁に変更されているため、それを知らずに、または、知っていてもどう変更していいのかわからない、ということで、そのまま放置してあるのですね。
知らなかったために、ブラック企業にされてしまって、ネットで拡散されてしまってはたまりません。
解雇したら訴えられて裁判になり、解雇になる基準が書かれていなかったために解雇が無効となってしまうというのは、よく聞く話です。
一度、御社の就業規則、見直しをされてみてはいかがでしょうか?
見直すことで、法律が変わっていることにも気が付きますし、トラブルになる芽を最初から摘んでおくことにもつながります。
急に、是正勧告が入ったからとご依頼いただいても、そんなに急には対応させていただくことができません。
ご依頼の順番に処理をさせていただくのが基本ですので、他の仕事を抱えているためにどうしてもすぐには応じられない場合もございますので、ご依頼の際は、余裕を持ってご依頼ください。
ちなみに、就業規則が今の法律に合致していることは、助成金の申請にもかかわって参ります。
ですので、助成金をお考えの場合にも、就業規則をきちんと整備しておく必要があるのです。
せっかくもらえそうな助成金があるのに、急に就業規則の作成や変更に対応してもらえるところがなくて、助成金をあきらめざるを得なくなることがないよう祈ります。
また、せっかく就業規則を整備・変更する(した)のでしたら、ぜひ、ホワイト企業をアピールしていくことも考えましょう!
当事務所は、サイバー法人台帳ROBINSの経営労務診断実施事務所として登録・権限付与をされています。

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